キミのことが好きすぎて
悠真先輩から誘って貰えたのは嬉しいのだけれど、その内容が勉強というのは嬉しくない。
私は複雑な気持ちのまま今日も図書室に向かった。
ガラガラと音を立ててドアを開けると、さすがにテスト前だからかいつもより人が居た。
それでも悠真先輩のことは一瞬で見つけられる。
いつもの隅の席で、座って本を読む悠真先輩。
みんな、必死に勉強しているのに、そこだけ世界が違うかのように時間がゆっくり流れている気がした。
「お待たせしました」
「遅い。さっさとやるぞ」
私が近づいたことに気づいた悠真先輩はそう言って、パタリと開いていた本を閉じる。
なんだかんだ、文句を言いながらも教えてくれるんだよね......。
律儀に待っていてくれるしーー。
なにより、最初に問題が溶けなかった時から付きっきりで教えてくれている。
単に、私の頭が悪すぎてそうするしかないのか、悠真先輩の良心でやってくれているのか。