キミのことが好きすぎて



「そういう事を聞いているんじゃない......」



どさくさに紛れて、名前を呼んでもらおうと思ったのに、ため息を着かれてしまった。


なら、違うアピールをーー。



「身長は158センチで、チャームポイントは笑顔です。そして、悠真先輩にひとめぼれしました!」


「......」



悠真先輩は、なんとも言えない表情をした。


うーん......。

このアピールも失敗?


次はどうしようかーー。



「せ、先輩は身長高いですよね!何センチなんですか?」



今度は、先輩の事を聞いてみよう。

なんたって、私は先輩の名前と2年生と言うことしか知らない。



「ーー175センチ」



長い沈黙の後、答えてくれた。


ここで、無視しないという所が先輩の優しさを表している。

ぶっきらぼうな口調で、笑った顔はまだ見たことがないけれど、案外いい人なのかもしれない。



「高いですね。先輩は何組ですか?」


「......話が飛ぶな。3組だ」



おおっ、また答えてくれた。

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