キミのことが好きすぎて
「それで先輩、約束のご褒美なんですけど」
私な無かったことにして、悠真先輩に話し続ける。
「クリスマスデートしてください」
周りがシーンとしていることも、聞き耳を立てられていることも分かっていたけれど、私はそう宣言した。
これで断られたら、違うご褒美をねだるつもりだけれど......。
しばらくの間、静かな空気が続いた。
ちらりと悠真先輩を見ても、動揺した素振りはしていない。
これだけ静かだったから、聞こえなかったというのは無いだろう。
私と悠真先輩の間を、周りの視線が行ったり来たりしているのを感じる。
やっぱり断られるかな......。
この前のデートは無理やり引っ張っていった感じだったし、さすがに嫌だって言うよね。
私が違うご褒美を提案しようと、口を開きかけた時ーー。
「わかった」
悠真先輩の口から、いつもの声がそう言った。
ーーということは?
クリスマスデートをしてくれるってこと......。