キミのことが好きすぎて



「それで先輩、約束のご褒美なんですけど」



私な無かったことにして、悠真先輩に話し続ける。



「クリスマスデートしてください」



周りがシーンとしていることも、聞き耳を立てられていることも分かっていたけれど、私はそう宣言した。


これで断られたら、違うご褒美をねだるつもりだけれど......。


しばらくの間、静かな空気が続いた。


ちらりと悠真先輩を見ても、動揺した素振りはしていない。

これだけ静かだったから、聞こえなかったというのは無いだろう。


私と悠真先輩の間を、周りの視線が行ったり来たりしているのを感じる。


やっぱり断られるかな......。

この前のデートは無理やり引っ張っていった感じだったし、さすがに嫌だって言うよね。


私が違うご褒美を提案しようと、口を開きかけた時ーー。



「わかった」



悠真先輩の口から、いつもの声がそう言った。


ーーということは?

クリスマスデートをしてくれるってこと......。

< 132 / 228 >

この作品をシェア

pagetop