キミのことが好きすぎて
6.ふりまわされる気持ち
クリスマス当日ーー。
冷たくひんやりとした空気の中、私は、マフラーをぐるぐる巻きにしたまま、柱の影に立っていた。
スマホの画面を見つめては、ニヤける顔が止まらない。
幸い口元はマフラーで隠れているので、思う存分表情を崩すことができる。
眺めている画面の中には、メッセージのアプリのトーク画面が先程から映し出されていた。
1番上の相手の名前の所には“ゆーま”と書いてある。
そう、悠真先輩の連絡先だ。
テストの報告をして、デートの約束を取り付けた後に、周りの先輩のおかげで、あっという間に悠真先輩の連絡先を手に入れることが出来た。
ーー先輩方、恐るべし......。
しかも、あの先輩がひらがなで、しかも自分の名前を“ゆーま”と登録しているということで、さらにニヤけてしまう。
普通にフルネームで入っているのかと思ったけれど、こんな所で柔らかく見せているなんて、可愛いところもある。