キミのことが好きすぎて


そんな名前にしておきながら、肝心のメッセージは無愛想、という所がなんとも先輩らしいといえば、らしいけれど......。


開いている画面は短い文が3つ。



(結愛です。よろしくお願いします)


(クリスマスは10時に駅にあるツリーの前で待ち合わせでいいですか?)



そう私が送った文書。

それに対しての悠真先輩の返信。



(了解)



まさかの2文字で終わってしまった。

もう少し会話が出来ると思っていたけれど、私はこの後の話題を送ることが出来なかった。


まぁ、悠真先輩とスマホでやり取りが出来るだけでも、一歩前進だ。


私は画面を戻しながら、時計を確認する。

現在の時刻ーー、9時30分。


約束の時間までは、あと30分だ。

既に待ち合わせ場所に着いてしまったけれど、私は何としてでも悠真先輩より先に来てやりたい事があったのだ。


待ち合わせ場所と言っても、今私がいるのは、そこから少し離れた柱の影。

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