キミのことが好きすぎて
もちろん、少し覗き込めば、約束のツリーはすぐそこに見える。
既に、周りはカップルで埋め尽くされているけれど......。
みんな、幸せそうだ。そして、私のやりたかった事をやっている人達が居る。
10分くらい1人で待っている人に駆け寄って、「ごめん、待った?」って言うやつだ。
寒い中待っていたくせに、「今来たところ」なんて言って、手を繋いで歩いていくカップル。
私がやりたいのは、まさにそれだ。
私が悠真先輩より早くついてしまっては、出来なくなってしまう。
だから、こうして見つからないよう影に隠れている。
もちろん、今日実行したいことはこれだけでは無い。
他にもいろいろあるけれど、既に全部計画済みだ。
「お前が行きたいって言ったんだから、場所考えとけよ」
連絡先を聞いた時に、そう言われた。
返事はもちろん、「喜んで!」だ。
その詳細な計画は、頭の中に入っている。
それには、今のやり取りももちろん入っている訳だけれどーー。