キミのことが好きすぎて
さ、紗奈ちゃんっ!!天才っ!
そんなことを思いつくなんて。
先輩に話しかける口実にもなる。
これはすぐにでも実行しないと。
「紗奈ちゃん、ナイス!ありがとう。誘ってくる」
私はガタッと椅子から立ち上がり、今からでも先輩を誘うために、走り出そうとした。
「ちょっ、結愛焦るな焦るな。まだお昼休みだから。行くなら放課後に行きなよ」
あ、そうだった。
まだお昼休みだった。
お弁当そっちのけで喋っていたから、忘れていたよ。
私は残りのお弁当を食べながら、放課後先輩のクラスに突撃しようと決めたのだった。
***
「では、気をつけて帰ってください」
教卓に立つ先生のその言葉で、ホームルームが終了した。
私は真っ先に席を立ち、教室を飛び出す。
途中で、紗奈ちゃんがーー。
「健闘を祈る」
と言って、送り出してくれた。
頑張らなくちゃね。
私は、前に聞いた教室を目指して、廊下を小走りで移動した。
たしかーー、悠真先輩は3組だったはず。