キミのことが好きすぎて


ーー言っていないはずなのに、一言聞いただけで何かを悟ってしまったらしい悠真先輩。

そして、さらに焦る私。


この状態から、どうやって悠真先輩の家を知ろうかと考えをめぐらせていると、先輩の方から話しかけてきた。



『30分後に、駅の近くの大きい公園でいいか?』



言われたことを理解するのに、数秒かかる。


これってーー、会ってくれるってことだよね!?



「来てくれるんですかっ?もちろんです!」



まさか、家に行かなくても会いに来てくれるなんて、幸せすぎる。

しかも、悠真先輩の方から言ってくれるなんて、感激だ。



「じゃあ、30分後に会いましょう!」



私はそう言って電話を切った。

30分ということは、悠真先輩の家はあまり遠くないのかもしれない。


そんなことを考えながら、私は急いで荷物を詰めて、準備をすると家を飛び出した。


自転車を漕ぎながら、冷たい風を切って進む。


10分くらい進んだ所に、待ち合わせ場所である公園にたどり着いた。

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