キミのことが好きすぎて
まさか、来てそうそう渡すの!?
いきなりすぎるよ。それが本来の目的でもあるのだけれど、少しおしゃべりしてからでもーー。
うん、そんなこと悠真先輩がするわけないよね。分かってる。
私は自己完結させて、タッパーを入れていた袋ごと差し出した。
「こ、これですっ」
私が差し出した袋を、悠真先輩は掴んで、何事もなかったかのように公園の中に入っていく。
「は......えっ?」
待つことなく、スタスタ歩いて奥に進む先輩。
一体何を考えているのだろう......。
私は、悠真先輩の後をくっついて歩く。
公園の真ん中らへんまで来たところで、ベンチに先輩が座った。
ベンチ以外に何も無い、木に囲まれたこの場所にはもちろん、誰もいない。
「......座れば?」
少し離れたところで泊まっていた私に、先輩が言う。
ーーそれって、私を悠真先輩の隣に座らせてくれるということ?
でも、そんな事をしたら、ドキドキしすぎて私の心臓は壊れてしまう。