キミのことが好きすぎて
そう思った私は、少しベンチから離れたところに座ろうとした......のにーー。
「おい、さっさと来い」
座る前に、先手を打たれてしまった。
そう言われたら行くしかないじゃないか。
言われる前に、適当な地面に座ろうとしていたのに、計画失敗だ。
私は速まる自分の鼓動を聴きながら、悠真先輩の隣に腰かけた。
「それで、これは?」
ここまで来て、やっと袋の中身を聞いてくれる。
電話で、そういう事か......って言っていたけど、これが唐揚げということは、もしかしてバレていない?でも、だとしたら先輩の言った、そういう事はどういうことなのだろう。
そんな疑問を持ちながらも、私は自信満々に中身を伝える。
「ふふっ、それはですね〜」
ーーつもりだった。
「どうせ、お前のことだから、中身は唐揚げだろ?」
「っ!?」
なんで分かったの?知らないから聞いたんじゃ無かったの?言い当てられた私はびっくりだ。
「お前、分かりやすすぎるんだよ」