キミのことが好きすぎて


どうやら、答えなくても私の反応で分かってしまったらしい。

喜んで伝えようと思ったのに残念だ。


ガックリとしている私の横で、悠真先輩はいつの間にか、袋からタッパーを出していた。

そして、その大きさを見て固まる。



「おい、これは1人分か？」


「はいっ！ちょっと作りすぎちゃいましたけど......」



心を込めて、先輩のために作ったのだ。

ちょっと失敗はしたけれど、是非とも食べてもらいたい。


どんな反応をしてくれるのかと、ウキウキして待っていた私には、多すぎだろ......と呟いた悠真先輩の声を聞き逃していた。


恐る恐るといった感じで、タッパーを開けた悠真先輩はまたしても、固まることとなる。



「ーー唐揚げだけ......」


「先輩、唐揚げ好きなんですよね？」


「......それとこれは違うだろ。普通、こういう時はお弁当だろ......？唐揚げのみ作ってくる奴がどこにいるんだ」



確かに......。

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