キミのことが好きすぎて
普段はあまり通らない、2年生の教室の前を通って3組を目指した。
ひとつしか離れていないのに、通り過ぎる先輩達は大人びて見える。
場違い感が半端ない。
私はキョロキョロしながら、先輩を探した。
まだ帰ってないよね......。
3組の教室の前に着き、後ろの扉からこっそりと教室の中を覗いた。
悠真先輩はーー、居た!
カバンに荷物を詰めて、立ち上がりなんと、私のいる後ろの扉に向かって歩き始めた。
どうしようーー。
心の準備が......。
私は咄嗟に、その場にしゃがみこみ扉の影に隠れた。
なんて言う?
ケーキ食べに行きましょうって言ったって、来てくれるはずがない。
デートしましょうって言ってみる?
ーーいや、これはあからさますぎて逃げられるに決まっている。
あぁ、どうしよう。
先輩は刻一刻とこちらに向かっているので、考えている時間なんてない。
「お前は、何をしているんだ?」
「悠真先輩を待ってるので、邪魔しないでください」