キミのことが好きすぎて
だけど私は気にしない。
こうなったら、もう開き直るしかない。
周りを味方に付けよう。
その方が、きっと上手くいくはず。
「そうですよ。偶然なんかじゃないです。悠真先輩を探しに来たんです」
「開き直ったかーー」
呆れたように先輩は言った。
それでも私は諦めない。
「先輩っ!大事な用があるので一緒に来てください」
「別に俺は用なんか無い」
「私はあるんですっ」
そのまま帰ろうとした先輩の腕を掴んで、引き止めた。
絶対に逃がすものか。
離せと冷たい目で見下ろしてくる先輩。
そんな視線でも、私を見てくれているという事が嬉しくなってしまう私は、相当おかしいと思う。
だけど、キュンとするのも本当の事だ。
「いいじゃん、行ってあげなよ」
私と先輩が見つめあっていると、悠真先輩の後ろから凛とした声が聞こえた。
ーーこの声は、聞いたことがある。
「鳴海......、お前には関係ないだろ」