キミのことが好きすぎて
9.ふたりの想い
目が覚めたら、自分の部屋に居た。
よく寝たおかげか、身体が軽く感じる。
「入るわよ〜」
そう言いながら、入ってきたのはお母さんだ。
「あら、起きたの。体調は?」
「すっかり元気!」
私はそう言いながら、両手で拳を作ってみせる。
もちろん、筋肉なんて、全然ないのだけれど......。
「なら良かったわ」
ちなみに、私は3日間寝込んだ。
せっかく新学期が始まったのに、2日目から休んでしまい、今は土曜日だ。こんなの予想していなかった。
「ねぇ、あのかっこいい男の子は誰?彼氏?」
病み上がりの私に、お母さんはうずうずしたように聞いてくる。
どうやら、これが聞きたくて私の体調が良くなるのを待っていたみたい。
聞くと、どうやら悠真先輩の背中で意識を失った私を、悠真先輩はそのまま家まで送ってくれたらしい。
ベットまで運んでくれたのだとか......。
もしかしたら、誰かと話していたのは、先生から住所を聞いていたのかもしれない。