キミのことが好きすぎて
「ーーわかってる......」
本当に行ってくれるんだ。
自分から言ったことだし、逃げられる事はないだろう。
「それじゃ、行きましょう!鳴海先輩ありがとうございました」
「いいえ〜、楽しんできてね“デート”」
最後を強調して言った、鳴海先輩の言葉に私はさらにときめく。
これは、デートなんだ。
悠真先輩とふたりきりで。
まだ、学校から出てすらいないのに嬉しすぎて、幸せオーラを出している私は、傍から見ても相当わかりやすいと思う。
軽くスキップをしながら先輩の前を歩いていた。
「先輩、ちゃんと着いてきてくださいね?」
スキップしながら、振り向いて後ろを歩く先輩に言う。
「分かったから、落ち着け。前を見ろ」
そう言われたって、嬉しいものは仕方がない。
勝手に溢れ出てしまうのだから、それを表現しないでどうするのだ。
そんな私を見ている、周りの人達の優しい視線には気づかなかった。
「それで?どこに行くんだ?」