キミのことが好きすぎて


言うしかないか......、私は恐る恐る話し始めた。



「まず、このお店はケーキがすごく美味しいんです。お金があったら、毎日でも来たいと思うようなお店なんです」


「......」


「でも1つの値段が高いから、そんなに何回も来ることは出来なくてーー」


「いいから、早く本題に入れ」



いきなり、悠真先輩とデートしたくて誘いましたーー。

なんて、言えるはずもない私は、とりあえず、このケーキ屋さんの素敵なところを言ってみた。

だけど、前置きなんて、先輩には必要なかったらしい。



「ーー紗奈ちゃんがね、教えてくれたんですけど......、このお店、今キャンペーンをやってて、それが、カップルだとケーキ1つ無料になるんです」


「ふーん、それで?」


「そ、それで、紗奈ちゃんと来ても、無料にはならないから、それなら先輩と行きなよって......」



ごめん、紗奈ちゃん。

勝手に言い訳に使ってしまった。

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