キミのことが好きすぎて
先輩の雰囲気が黒すぎて、だんだん語尾が小さくなる。
でも、嘘は言ってない。
「あ、でも、写真を撮るのは本当に知らなかったでんですよ!」
反応がない悠真先輩を、恐る恐る見た。
「ひっ......」
笑顔が怖いーー。
無表情のほうがまだ良いくらいだ。
「紗奈ちゃん......ね」
「......」
「はぁーー、それで俺に彼氏の振りをしろと?」
私はその言葉に、コクコクと頷いた。
私としては、そのまま本当の彼氏になってくれたら嬉しいけど。
やっぱり、ダメかな?
二人の間に、しばらく沈黙が続く。
「ごめーー」
さすがに、無理やりすぎたか......。
ごめんなさいと謝ろうとしたら、悠真先輩は再び口を開いた。
「......しょうがねぇな。何食うんだよ」
えっ?
これはーー、怒ってない?
セーフ?
「悠真先輩......、いいんですか?」
「何が?」
「帰らなくて......」
てっきり、帰るって言い出すと思ったのだけれどーー。