キミのことが好きすぎて
ーー悠真先輩と関節キスをしてしまった。
悠真先輩が食べた後のフォークが、今私の口の中に入った。
これは、決して私が変だからそう思うのではなくて、好きな人が相手だからそう思うのだろう。
仮に、紗奈ちゃんに同じことをされたとしても、何も思わない。
緊張する訳でもなく、むしろ、お互いに食べさせ合う気がする。
相手が、悠真先輩だからこんなにドキドキしてしまうのだ。
「お、美味しいですね〜......」
明らかに挙動不審な私は、訳の分からないことを口走ってしまう。
あぁ、もう、私のバカっ!
今先輩は、甘すぎて無理って言ったばかりじゃないか。
なのに、なんで出てきた言葉が、“美味しいですね”なのよ。
口には出さず、私は心の中で自問自答した。
そんな私に、先輩は何言ってんだコイツとでも言うような視線を向けてくる。
今の言動がおかしい事くらい、私だってわかっている。
だから、そんな目で見なくても......。
「さっさと食えよ」