キミのことが好きすぎて
「た、食べますよっ」
私はそう答えた勢いで、もうひとくち口に入れた。
緊張とドキドキで味が分かるはずも無かったけれど、慌てて食べる私を見た悠真先輩の口角が、少し上がっている気がした。
***
緊張しながら残りのタルトも食べ終えて、私達はお店を出ることにする。
「ありがとうございました〜」
美人な店員さんに微笑まれて、見送られながら私達はお店を後にした。
ちなみに、無料なのはケーキだけだったので、飲み物は自腹だ。
お礼として、私が先輩の分まで払おうとしたのに、先輩が先に私の分まで出してくれた。
全く、どこまでイケメンなんだ......。
私が惚れ直しちゃうじゃないか。
もちろん、更に好きの気持ちが大きくなったのは、間違いないのだけれどーー。
「悠真先輩、付き合ってくれてありがとうございました」
無理やり、嘘をついてまで連れて来たのに、悠真先輩は最後まで付き合ってくれた。