キミのことが好きすぎて


色々、想定外なことはあったけれど、私はこれでも良かったと思っている。


なにせ、先輩とデートが出来たのだから。



「ーーもう、付き合わないからな」



それは、残念......。

あわよくば、もう1回と思っていたから。

今度誘う時には、また違う言い訳を考えなければーー。


悠真先輩に言われたからと言って、簡単に諦める私ではない。



「先輩、また来ましょうね〜」



私は聞こえないふりをしてそう言った。



「っ、だからもう行かないって言ってるだろ」


「ふふっ」



焦ってる悠真先輩もすごく良い!


めげない私に、振り回されている新鮮な姿。

先輩を落とすためには、何でも全力。

それが私だ。



「帰りましょうか?先輩、家どこですか?送っていきますよ?」


「なんで俺が、お前に送られなきゃいけないんだよ......」



わざと格好つけて言ってみたのに、呆れられた。


悠真先輩の家を知るチャンスだったけれど、これは失敗みたいだ。


また違う攻め方を探そう。

< 45 / 228 >

この作品をシェア

pagetop