キミのことが好きすぎて
色々、想定外なことはあったけれど、私はこれでも良かったと思っている。
なにせ、先輩とデートが出来たのだから。
「ーーもう、付き合わないからな」
それは、残念......。
あわよくば、もう1回と思っていたから。
今度誘う時には、また違う言い訳を考えなければーー。
悠真先輩に言われたからと言って、簡単に諦める私ではない。
「先輩、また来ましょうね〜」
私は聞こえないふりをしてそう言った。
「っ、だからもう行かないって言ってるだろ」
「ふふっ」
焦ってる悠真先輩もすごく良い!
めげない私に、振り回されている新鮮な姿。
先輩を落とすためには、何でも全力。
それが私だ。
「帰りましょうか?先輩、家どこですか?送っていきますよ?」
「なんで俺が、お前に送られなきゃいけないんだよ......」
わざと格好つけて言ってみたのに、呆れられた。
悠真先輩の家を知るチャンスだったけれど、これは失敗みたいだ。
また違う攻め方を探そう。