キミのことが好きすぎて
「ちょっと行ってきます!」
私は振り向きざまそう言って、お店に入った。
「これくださいっ」
「かしこまりました。800円になります」
実はこのポーチ、可愛いだけではなく、安いのもあって、高校生の間で話題になっているのだ。
私は支払いを済ませ、無事に手にすることが出来た。
ポーチの入った袋を抱えて、ホクホクしながらお店を出ると、すぐ側に人だかりが出来ていた。
ーーなにごと?
覗いてみると、なんとその中心には悠真先輩が居た。
先輩、何してるの?
待たせるのも悪いと思ったから、帰っててくださいって言ったのにーー。
私は、その人混みの1番外側に近づいて、聞き耳を立てる。
「あの、これから私とご飯行きませんか?」
「イケメンですね!タイプです!」
周りに群がっている女の子達はそう言っていた。
ん?これは......、もしかしなくても、悠真先輩が逆ナンされてる?
だけど、悠真先輩は口を開く気配が無い。