キミのことが好きすぎて
誘われているのに、断りもせずに放置していたっぽい。
だから、この人だかりなのかーー。
でも、喋りたくないなら、ここから離れれば良いのに......。
どうしてだろう?そう思った時、悠真先輩が私の方を向いた。
あ、目が合った。
先輩が小さく口を動かす。
えーっと?
ーーた、す、け、ろーー。
間違いなくそう言っている。
悠真先輩が、私に助けを求めている!?
これは、夢ーー?
先輩が遠くにいるのに、口パクで伝えてくるとか、可愛すぎる!
あのイケメンの顔に似合わない。
今は思いっきり、不機嫌な顔をしているけれど......。
おっと、そんなことを考えている場合じゃない。
早く助けないと、悠真先輩がますます不機嫌になってしまう。
私が悠真先輩を助けられることなんて、滅多にないんだから、この絶好の機会を逃すつもりはなかった。
ーーよし。
私は、気を引き締めて、集まっている女の子達をかき分けて前に進んでいった。