キミのことが好きすぎて
「すいません、通してください〜」
「何よあんた、割り込みしないでくれる!?」
それはそうだ。
女の子たちからしたら、私は後から来て割り込みしている人なのだから、文句が出てくるのは当たり前だろう。
だけど、私は絶対に悠真先輩を助けないといけないのだ。
それに、ここにいる誰よりも、私の方が先輩の事を知っているはず。
今日だって、デートしたんだからっ。
「私の方が先輩を好きなので、あなたがどいてください」
文句を言ってきた人に、そう言い返した。
「なっ......」
どう返したらいいのか分からなかったらしいその人は、言葉を詰まらせる。
だけど、通してくれようとはしてくれなかったので、躊躇して固まった隙に横をすり抜けた。
そして、やっとの思いで悠真先輩の元にたどり着いたのだった。
「ちっ、遅い」
「すいません、でも先輩の言葉通り、助けに来ましたよ!」
私は胸を張って言った。
「何よコイツ」