キミのことが好きすぎて


先輩の名前を教えてくれた、恩人のような先輩なのに。



「まぁ、すぐにガッカリすると思うけど頑張ってね」



それは、どういう意味ーー?



「せんぱーー」



聞こうと思って顔を上げると、すでにその先輩は教室には居なかった。


先輩も早すぎるーー。


私は、先輩の名前も聞いてないし、お礼も言えてないのに。

2年生は課題が少ないのだろうか?それとも、私が遅いだけなのか......。


まぁ、明日も補習はあるから明日また会えるはずだろうと思い、私は課題を終わらせることに専念した。



***



次の日ーー。


昨日と同じ席で、隣には悠真先輩も居る。


昨日振られたばかりで、気まずい......とは、ならない。

むしろ、また先輩と会えたことが嬉しい。


私は、プリントと戦いながら、たまに横を盗み見る。

ちなみに、昨日の問題の答えは先輩の言った通りで当たっていた。

私には全くわからなかった問題を、パッと解いてしまうなんて、さすが悠真先輩だ......凄い。

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