キミのことが好きすぎて


私の勢いに押されるように、紗奈ちゃんは仰け反る。



「勉強教えてくださいっ」


「は?嫌よ」



ーーっ、まさかの即答。

バッサリ切り捨てられるとは思ってもいなかった。


もう少し、迷ってくれてもいいじゃないか。



「私は、私の勉強で手一杯。今回は範囲広いんだから余計に無理よ」


「そうだよね......。ごめん、ありがとう」



紗奈ちゃんの言うのも、最もだ。


今回は何せ、範囲が広い。

他の人に聞いてもきっと同じ答えだろうし、そもそも悲しいことに、聞ける人が余りいない。


やっぱり、自力で何とかするしかないーー。


放課後になり、私は1人で学校内の図書室に向かった。


図書室には、数人が本を読んでいたり、読書をしたりしていたけれど、シーンと静まり返っている。


私は音を立てないように、静かに隅の席に腰を下ろした。



「さて、やりますか」



小声で気合を入れてから、私は教科書とノートを開いた。


開いたページは、今回のテストの範囲の初め。

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