お見合い夫婦のかりそめ婚姻遊戯~敏腕弁護士は愛しい妻を離さない~
私のこと、気に入ってるって本当? ……でもそれも、友達としてだよね?
思わず拓海を見つめ返すと、拓海はフッと笑みを浮かべた。
「疑り深いな。俺が夏美のことをバカになんてするわけないだろ。ほら、行くぞ」
突然、指先をあたたかなものが包み込んだ。緊張で冷えている私の手を、拓海の大きな手がギュッと握る。
「……拓海」
励ましてくれているのだろうか。こんなふうに触れられるのは初めてで、ドキドキしてしまう。
「本当にそのままの夏美でいいから。きっと、気に入ってもらえると思う」
「そうかな」
「大丈夫、俺が保証する」
拓海の手は温かくて大きい。私はちょっと安心して、彼に全てを委ねることにした。