彼は私の絵師なので!〜好きだから、渡さない〜
「うっ……。でも、紗英だって夜遅くまでキャスしてたりするじゃん!!」
「あんたと違ってあくびは出ませ〜ん」
「ムカつく〜!!」
樹里は紗英に思い切り抱きつく。二人は同時に笑った。その時、樹里の耳に大好きな零の声が聞こえてくる。
「浜口くん、この前の発表会よかったよ。また次も頑張ってくれ」
「はい!ありがとうございます!!」
教授に褒められているようだ。零の嬉しそうな横顔に樹里の胸も温かくなる。頭の中で病名恋ワズライが流れた。
「樹里、零に何か声かけてあげなよ。よかったねとかさ」
紗英が樹里を離し、言う。樹里は真っ赤な顔で頷いた。とてもドキドキしている。まるで告白をする時のようだ。
「れ、零!!」
教授と話し終えた零に、樹里は勇気を振り絞って声をかける。すると、零はふにゃりとした可愛らしい笑顔で「どうしたの?樹里ちゃん」と訊ねる。樹里の胸が高鳴った。
「あ、あのね……」
チラリと樹里が後ろを見れば、紗英が「頑張れ」と口パクで言っている。樹里が口を開こうとした刹那、ドンッと樹里は誰かに背中を押された。持っていた教科書などが床に落ちる。
「あんたと違ってあくびは出ませ〜ん」
「ムカつく〜!!」
樹里は紗英に思い切り抱きつく。二人は同時に笑った。その時、樹里の耳に大好きな零の声が聞こえてくる。
「浜口くん、この前の発表会よかったよ。また次も頑張ってくれ」
「はい!ありがとうございます!!」
教授に褒められているようだ。零の嬉しそうな横顔に樹里の胸も温かくなる。頭の中で病名恋ワズライが流れた。
「樹里、零に何か声かけてあげなよ。よかったねとかさ」
紗英が樹里を離し、言う。樹里は真っ赤な顔で頷いた。とてもドキドキしている。まるで告白をする時のようだ。
「れ、零!!」
教授と話し終えた零に、樹里は勇気を振り絞って声をかける。すると、零はふにゃりとした可愛らしい笑顔で「どうしたの?樹里ちゃん」と訊ねる。樹里の胸が高鳴った。
「あ、あのね……」
チラリと樹里が後ろを見れば、紗英が「頑張れ」と口パクで言っている。樹里が口を開こうとした刹那、ドンッと樹里は誰かに背中を押された。持っていた教科書などが床に落ちる。