俺の彼女は魔法使い
そりゃあ、あれだけ騒いだのだから、こいつらが起きていない方が驚きだが、イヤなヤツらを起こしてしまった……


「陽菜ちゃん♪コイツの彼女だってよ、いっちょ前に!」

「お前いつの間に……」
「ってか、だったら普通、彼女と年末年始いろよ!んでもって、いっそ姫は……」


バシッ


高校時代鍛え上げたフルスイングで枕を振って、黙らせる

ダチ1人をノックアウトさせて、秀哉の方を振り返る


「あ、やば…。怒った?」

「はぁ~、呆れた……」


ため息をついてそう言うと、俺は床に座り込んだ

彼女には会いたいけれど、コイツらには見せたくもねぇし、会わせたくもねぇ

テーブルの上の缶を掴むと、まだ3分の1くらい中身が残っていたので、それを一気に飲み干した


「まずっ」


ぬるい甘い酒を胃に流しつつ、これからどうしたものかと俺は頭を抱えた


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