俺の彼女は魔法使い

「あ、陽菜ちゃんいたじゃん」
「あのさ、馴れ馴れしく下の名前で呼ぶのやめてくれ……」


秀哉の言葉に対して、俺がそう言った事に車内は一瞬の沈黙が流れた


「お前……ヤキモチ！？そんなキャラだったけ？？」


最初に口を開いたのは、秀哉の次にお調子者の悟

それに続いて秀哉が「ほほう、良い傾向だね」なんて大人ぶって言っている

櫂はというと、比較的このグループではクールな方で「本気なんだぁ」と冷静に俺の事を分析してくる

それぞれがそれぞれで納得いったように頷き合うと、秀哉が車を邪魔にならない所で、駅に近い所に停めた


「それでは王子様、姫を迎えに行ってなさいませ」


秀哉がニヤニヤしながらそう言うと、車のドアロックをはずす音が車内に響いた

俺からは見えていないが、何となく後ろの空気が、秀哉と同じ空気を漂わせている


マジでここに彼女を連れてきたくねぇ……


しかし、後の祭り

俺はため息をつくと、車を降りて彼女の所へと向かった