俺の彼女は魔法使い
「翔兄ちゃん、久しぶりぃ!」


亮太が元気よく俺に飛びついてくる

まだ小学校にも入学していないが、その威力は去年に比べて強くなっている


「亮太!元気にしてたみたいだなっ!」
「うん!」


満面の笑みでそう言われると、決してイヤな気にはなれない


「あら、翔太。楠木さんは?」


叔母さんの問いに、忘れていたことを思い出す


「2階に行ってもらったよ…。いい加減にしてやらねぇと、彼女困ってたじゃん」


とりあえず文句だけは言っておく

2階に向かおうとして、通路に出たとき、ちょうど兄貴とすれ違った


「いつ誰が行くか分からねぇ状態で、襲うなよ?」


すれ違いざまに兄貴が俺に合図したかと思うと、そんな事を耳打ちしてくる


「バカ兄貴…」


そう言い返して、俺は階段を上った

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