俺の彼女は魔法使い
「話、もう良いの?」


ジェスチャーで下を指しているところを見ると、どうやら兄貴たちの事を言っている様子


「あぁ、兄貴たちが来たみたいだから、叔母さんの思考もそっちいってるよ」

「お兄さんって、7つ上の?」

「そ、7つ上の」


「ふーん」と俺からはずされた視線は、ちょうど机の横、CDラックに注がれている


「何か聴きたいのか?」


そう尋ねると、彼女は「へっ!?」と驚いてから、首を横にふった


「どんな曲聴いてるのかなぁって…この前教えてもらったの良かったから」


無防備に笑顔なんて向けて彼女はそう言う

無邪気というのは時として本当に残酷だ


「岩崎…くん…?」


気づくと俺は彼女に目線を合わす形でしゃがんで、その長い黒髪に触れていた


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