俺の彼女は魔法使い
「ったく、兄貴にこんな事するか?可愛い弟を心配してやってるのに」

「マジでいらねぇ……」


そう呟く俺の頭をワシャワシャと撫でて、兄貴は俺の横に座る

こうしていると、俺は本当にまだまだ子供だなぁとしみじみ思ってしまう


「にしても、綾那達遅いなぁ……。心配か?」

「心配とかその前に、いったいどこ行ったんだよ…」

「あ~何か『女性は泊まるとなると、用意するものが色々あるの!』とか言って、綾那は出ていったぞ?」

「義姉さんに連れてかれただけマシだと思う事にするよ……」


その言葉に苦笑しながら、兄貴は立ちあがった

そうして部屋を出ようと、入口まで来たところで思い出したように兄貴は付け足した


「あ、綾那から伝言。『陽菜ちゃんに貸したげる服用意してあげといて』だってさ」

「え?……」

「綾那自分の分しかないし、お前のヤツのが気軽に借りれるだろうって。身長的にも体格的にも、でかいかもしれないけど、寝るときだけだから大丈夫だろうってさ」


その言葉に何だか不安を覚えてしょうがない……

今夜は一体、どうしたもんだか……


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