俺の彼女は魔法使い
亮太を前に、後ろから手をまわして本を読み聞かせる彼女

とても良い光景なんだけれど、出来れば俺も混ぜてください……

若干いじけながら2人を見ていたら、彼女がそれに気がついてか、こちらを見て苦笑した

そんな風に笑うなよ……と益々いじけたくなる俺をよそに、彼女は亮太の耳元に口を近づけて、ヒソヒソと何やら話している

亮太はその言葉にニコリと笑うと、彼女のもとを離れて、俺のもとにトコトコとやってきた


「陽菜ねぇちゃんがね、翔兄ちゃんがいじけてるから、こっちに呼んでおいでってさぁ?」


何だかもの凄くカッコ悪くないか?俺…

そう思いながらも、亮太に手をひかれて、机からベッドの近くに寄る


「じゃあ、私がナレーション読むから、岩崎くんは他の役ね♪」


意地悪そうに笑って、彼女は俺にそう言った


「ちゃんと役になりきってね~♪」
「なりきってねぇ~♪」


最強のタッグが、もしかしたら今ここに誕生したのかもしれない……

そう思いながら、俺は彼女のナレーションの元、桃太郎の話をやらされたのだった


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