俺の彼女は魔法使い
一面白銀の世界

頬に当たるのは冷たい風

人々が滑るたびに白い欠片がそこらじゅうで飛び散っている


「わぁ~!!止めてぇー!!!」


ズボっという音と共に、その声の主は雪の上でポテッとこけた

その声の主は楠木陽菜

どうしてこんなところに来ているかというと、それはあの生殺しの冬休みが明け、テストが終わった日に遡る

テスト終わりに彼女と駅までの道を歩いていると、突然ズボンのポケットが震えた

ケータイを取り出してサブ画面を見てみると『慶太』の文字


「もしもーし♪」


通話ボタンを押してそう言うと「なんかテンション高い?」と慶太が俺に尋ねた


「だって、今日でテスト終わりだもーん♪」

『可愛く言っても可愛くないから……』


そう言われて、普段のテンションに戻って「で、何だよ?」と尋ねる


『あ~、そこに陽菜ちゃんいる?』


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