俺の彼女は魔法使い
スノボーの板を借りて、リフトに乗り込む

一面銀世界が広がっている中を、ゆっくりと上がっていく

スノボーをするのは、去年来た時に練習して、人並みに出来るようになって以来だ


「で?翔太の腕前はどうなわけ??」


リフトを降りての慶太の第一声は『絶対俺よりは出来ない』と言ったようなニュアンスを含んだ良い方だった


「さぁ?滑れる程度?自分じゃ分かんねーよ」


そう言って2人そろって笑い合うと、目で合図して同時にスタートを切った



風が気持ち良い

頬にあたる冷たい空気が、高揚する気持ちとほどよく混ざる

慶太とは別れて滑っているので、1人で気ままに滑る事が出来る

滑っている途中で、ある建物が目に入った

気になってそちらへ向かってみる

その建物の前で止まると、そこに広がっていたのは――――


「ここって……」


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