俺の彼女は魔法使い
「待って、そのポーズ何か恥ずかしいから!!ちゃんと、滑ります!!!そこまで滑るから、大人しく待ってて!!」


彼女はそう慌てて言うと、ゆっくりとストックで前に出ると、静かに滑って俺の隣りまでやってきた


「ほら、出来た!」

「もう、心臓バクバクですけど……」

「おし、そんじゃ次はここまで!!」


そんな感じで半分くらいまで滑り下りてくると、ようやく目的地の近くまでやってきた


「それじゃ、ここまででOK♪右足出して」

「え?」


戸惑う彼女の右足からスキー板を外し、左足も外し、俺の板と重ねて持ちながら「ついといで」と彼女を手招きした

スキー場から少し離れたところにそれはあった

さっき滑っている途中に見つけた建物

木々を抜けて、その全貌が見え、彼女は驚きの声を上げた


< 217 / 284 >

この作品をシェア

pagetop