俺の彼女は魔法使い
彼女の顔が一気に紅潮していくのが、面白いほど分かる

「えっ、あっ……えーと……」と訳の分からない事を言いながら、彼女は俯いたり、顔をあげたり

予想していた反応ではあるが『やっぱり俺が報われる日って来るのかなぁ』と泣きたくなる


「冗談だよ」


と言って彼女の頭をわしゃわしゃっと撫でる

俺が手を彼女の頭から離すと、彼女はその手をパッと掴んだ

驚いて彼女を見つめると、彼女も俺を見つめ返していた

そうして彼女は少し遠慮がちに「良いよ……」と呟いた

その表情がとても愛おしい

呟いてから、彼女はゆっくりと瞳を閉じた

そんな彼女の頬に手を伸ばすと、少し体がビクリと震えたのが分かった

彼女の唇に、ゆっくりと自分の唇を重ねる


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