俺の彼女は魔法使い
唇を離して目を開けると、彼女と至近距離で目があった

照れて笑う彼女につられて、俺も笑ってしまう

そうして2人の笑いがおさまってから、俺はふと祭壇に目をやった


「これで楠木は俺から逃げられないよ?」


俺の言葉にキョトンとしている彼女に、俺は言葉を続けた


「俺たち今、神様の前でキスしちゃったから」


その言葉に彼女はクスクスと下を向いて笑った


「それじゃあ、私をしっかり見ておいて下さいね。捕まえていて下さいね」


そう言って笑う彼女は、ロウソクの光に照らされて、とても綺麗だった


「お嬢様の仰せのままに」


そう言って彼女に手を差し出して、俺たちは教会を出た


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