俺の彼女は魔法使い
「ってかさ、陽菜ちゃんは弁当なのに翔太は弁当じゃないの?」

「あーそれは……」
「それは、翔太が学校に中々来ないから、作ってもムダになりそうで怖いってことで、お弁当じゃないのよ」


「何でお前がそんなこと知ってんだよ……」と言うオーラを佳奈に送ってみると、「だって仲良いもん♪」と勝ち誇った表情で彼女は答えた


「翔太―、お前何の為に下宿してんだよ……大学こーい!!ってか愛妻弁当作ってくれるチャンスを逃すなんて、ほんとバカ!!!」

「大丈夫よね~だって朝ごはんは手作りだもの♪」

「だから、お前は何でそんな事まで知ってんだよ!?」

「仲良いから」


俺にはプライバシーもへったくれもないのだろうか……

頭を抱えたくなる俺の横で、慶太は慶太で「羨ましすぎる!!」と俺をにらんできている

メシを買う学生の戦いと、2人の攻めに耐えて彼女のもとに帰ると、俺は安堵の溜息をついて彼女の隣りに座った


「な、何かめちゃめちゃ疲れてない!?大丈夫??」

「大丈夫よ、ただの気苦労だから♪」


彼女の問いになぜか佳奈が答えつつ、俺は彼女に「あーうん、大丈夫、大丈夫」と答えて昼食に手を伸ばした


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