俺の彼女は魔法使い
電話の向こうから聞こえるアイツの声にイライラしてしまう


『んじゃ、本直したらすぐ下行くね!!』


そう言うと電話はプツリと音をたてて切れ、プープーと言う音が耳に届いた

ケータイを閉じてポケットにしまって、佳奈の言葉を思い出した


『どうする?聞かない方が良い事もあるかもよ?』


逆にその言葉に意味深いものを感じてしまって、したくもない妄想が広がってしまう

彼女の過去が気になった事がないと言えばウソになる

どんなヤツと付き合って、どんな恋愛をしてきたのだろうか?

でもそんな事、気にしだしたらキリがない

俺だって、恋愛はいくつかしてきてる

それでも、柏木が出てきた事によって……俺は焦ってる?

彼女を独占したいという感情が、俺の心をかき乱す

俺はこんな独占欲の強い、イヤな奴だっただろうか?

イヤな感情が芽生えているのを感じながら、俺は教授棟へと向かった


< 256 / 284 >

この作品をシェア

pagetop