俺の彼女は魔法使い
教授棟の1階

手すりにもたれかかって彼女を待っていると、数分で彼女は降りてきた


「ま、待った??」


慌てて言う彼女に「待ってない」と答える


「今日はもう授業終わり?」


そう尋ねる俺に「うん、あとはバイト~」と彼女は答えて俺の隣りに並ぶ

「岩崎くんは?」と尋ねかえす彼女に「俺も終わり」と告げる

その言葉に「んじゃ、帰ろっか」と彼女は言うと、大学の門へと歩きだした


「ごめんね~授業サボって……まさか、辰にいに会うなんて思わなかったよ!」


そう言いながら前を歩く彼女に、言いようのない感情が込み上げてくる


「しかも相変わらず私の事コキに使うし!!」


俺の知らない彼女の過去を、アイツは知っていて、彼女はそれを思い出しているのかと思うと、自分でも嫌な気持ちが胸の奥で育っていくのが感じられた


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