俺の彼女は魔法使い
ガンガンいっている頭痛が少しずつ和らいできて目を開けると、そこには楠木の姿があった

意識がはっきりしてきた俺の瞳に映るのは、彼女の少しむくれた顔だ

彼女は俺を見下ろす形で立っていた

彼女の髪が、俺の頬に触れそうだ

彼女は今の大学生にしては珍しいであろう、長い黒髪だ

その髪に触れようと手を伸ばした瞬間、彼女はパッと顔を上げた


「いい加減起きなさい!!」


これではまるで母親だ

彼女が部屋のカーテンを開けると、眩しい日差しが直接俺の顔に当たった



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