好きなんだから仕方ない。
「コラエダも恋には奥手なのか?」

「そりゃあ、奥手だったよ。だって俺、ヒミーに拾われるまで女として生きていたんだもん。まぁ、生かされていた?って言う方が正しいけど。自分を押し込めて生きてる所なんて昔の俺にそっくり」

「あ、分かった。あそこの国か」

兵士として色んな場所へ足を運んでいるヅヌダクだからすぐに分かった事なのかもしれない。
この世界には女だけが住む事を許されている国があるそうだ。そこでは稀に、男を産んだ母親が国の目をすり抜けて女として育て上げる事がある。それも女に優しく女を信じ。そんな国だから女として生きているのならと暗黙の了承があり、国民が減る事なく存続されている。
まぁ、妊娠させればバレて追放され、追い出されるそうだがヅヌダクのその言葉に頷いて否定しない所をみると本当にその国の出身なのだろう。
そんなコラエダとヒミーがどうして出会ったのか。確かに興味がある話だが、それと恋に奥手なのと何の関係があるんだ。男だとバレて追放され、会えなくなるのを恐れていた過去があるとかか?
< 123 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop