好きなんだから仕方ない。
「魔女が神に仕える種族だという事は知っているだろう?そのためにエイミアはさっさと死にに行かなきゃいけないんだ」

「どういう・・・事ですか・・・?」

「クロエラ、違うの。あのね?」

「何が違うんだよ!神の住み処に行くためにあの塔へ登らなきゃいけない!魂だけが招き入れられる場所だから体は置いていく事になるんだ!魂が抜ければ当然生命の維持は出来なくなるしそれはこの世界での死を意味するだろ!」

「言い方の問題なの!良いからパルドメールは黙ってて!」

舌打ちをしてばつが悪そうに口を継ぐんだパルドメールさんを見ると、エイミア様は俺たちに近くへ座るよう告げた。さっきまで騒いでいた子供たちもカナケトも、少し離れた所にいたコラエダ、ヒミー、ヅヌダクも静かに言う事を聞いて目の前に並ぶように座り直した。
俺は言いたい事を言おうとしている時の彼女の癖を見逃せなかった。手を握り、大丈夫だと目で伝える事しか出来なかった。
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