好きなんだから仕方ない。
まるでこうなる事は分かっていたかのよう。どうしてそんな、やっぱりわざと落ちるような物を集めて?
「説明しなさい、エイミア」
「金銭も出せないため、彼らの生活の糧となる食物をくれと言うには気が引けて捨てると言っていたいびつで不揃いな物で構わないと告げました。本当に良いのかと問いかけながら渡してくれた方々もいましたが、誇りに欠けると渡さない方々もいらっしゃいました。ただ、渡さない方々の中には働いてくれれば捨てる食物を渡すと言う方々、売り出す食物を渡すと言う方々がいらっしゃいました。これは貧困だと告げた私への国民の善意です」
まるで、龍に一匹で立ち向かう鼠のようだった。無謀で、勝敗なんて分かっていて挑むだけ無駄とも言える力の差。なのに彼女はしっかりと国王を見つめ、関わってきた人々の善意を否定させないと言わんばかりの凛とした姿。
そうだ。俺はこんな、無謀なのに何とかしようとする逞しいのにか弱い彼女に惚れたんじゃないか。あの時だって彼女はずっと俺の前に立って敵わない敵に立ち向かって。
「説明しなさい、エイミア」
「金銭も出せないため、彼らの生活の糧となる食物をくれと言うには気が引けて捨てると言っていたいびつで不揃いな物で構わないと告げました。本当に良いのかと問いかけながら渡してくれた方々もいましたが、誇りに欠けると渡さない方々もいらっしゃいました。ただ、渡さない方々の中には働いてくれれば捨てる食物を渡すと言う方々、売り出す食物を渡すと言う方々がいらっしゃいました。これは貧困だと告げた私への国民の善意です」
まるで、龍に一匹で立ち向かう鼠のようだった。無謀で、勝敗なんて分かっていて挑むだけ無駄とも言える力の差。なのに彼女はしっかりと国王を見つめ、関わってきた人々の善意を否定させないと言わんばかりの凛とした姿。
そうだ。俺はこんな、無謀なのに何とかしようとする逞しいのにか弱い彼女に惚れたんじゃないか。あの時だって彼女はずっと俺の前に立って敵わない敵に立ち向かって。