好きなんだから仕方ない。
確かに生きて一緒にいた時、私は幼かった。でも、でもね。何も見ていなかった訳じゃないんだよ。誰からどんな愛をもらったかくらい、大人になってもちゃんと覚えているんだよ。

「・・・本当に一人で大丈夫か?」

「ずっと気にかけてくれてありがとう。私はもう大丈夫だから先に行って待ってて?」

「絶対来いよ。約束だからな」

白い光に包まれていくパルドメールと小指を絡めた。消えていったパルドメールに驚く者はいなかったけれど、涙を流す者もいなかった。それもそっか。何だかんだ言って仲が良かったのは私だけだったもんね。
神の住み処に戻ったパルドメールの事を思いながら眠りについた。今はただ、気持ちを整理して運命に任せるしかない。魔界へ行こうと思ってもいけない事はあるから。そうなったらちゃんと、皆と戦わなきゃ。
次に目が覚めたのはきっと、朝の光を浴びたからじゃない。
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