好きなんだから仕方ない。
そのため、神の負担を減らすためにという魂たちが願いだけで作り出した悪を仕切る王が出来た。神が死ねば王も死に、新しい神が忙しくなればまた作り出し。そうやって出来たのがメルシオ様の部屋にある日記に何度か出てきていた魔界の王。

「その魔界のあった場所が丁度ここでね。また出来上がって来ているのかもしれない。トワ、お手柄よ。ちゃんと見ててくれてありがとうね」

「俺のおかげ・・・?面倒事持ってきたんじゃないの?」

「うーん、確かに面倒事かもしれない。ただ、この可能性を見逃していたら私たちはまた戦わなくてはいけないから。魔界の王がいて神の仕事が軽減されるのは確かだけど、その分何の罪もない魂も無条件に消滅しているの。あなたたちみたいに何も悪い事をしていないのに消滅させられる魂が想像も出来ないくらい増えるのよ」

エミィ様の言った、お手柄という言葉にトワは混乱していた。自分があの池に連れていった事から神々は慌ただしく動き始め、エミィ様も真剣な表情を崩さなかった。
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