好きなんだから仕方ない。
不安だったのだろう。訳も分からないまま、動き始めた事が自分が罪を犯したような気にさせたのだろう。

「なぜなのですか?」

「・・・まぁ、結局魂が産み出した者だから神の尺度で物事を見れないのよ。私たちはこうやって一人の神になる前に能力に集中する期間が与えられるけど、魔界の王は作られた瞬間から神同等の能力を求められるから経験が浅くて使い同等の判断すら出来ない。願いだけで作り上げられた者だから魂もない。・・・あんな悲しい生き物を私はもう増やしたくない。だからお手柄なのよ。少なくとも、私は感謝してる。喜んでる。実際、未来の事なんて可能性でしか分からないんだから今はそれだけで十分じゃない?」

「・・・うん。そうだね!」

多くの魂の事なんて自分たちには分からない。でも、今ここにいる大切な魂がどうなっているのかは知る事が出来る。完璧にとはいかないものの、感情や苦しみだって知る事が出来る。だから、見えない今はそれで良い。
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