好きなんだから仕方ない。
昔から泣き虫だったエイミア様の涙が止まるのを待つ事など慣れている。これからもずっとそばにいたい事に変わりはない。でも、抱き締めて頂けるとは思っていなかった。

「あのっ、えっと、エイミア様・・・？」

「ごめんなさい・・・っ。もう少し、このまま」

「かしこまりました」

この時ほど自分を愚かだと思った事はない。泣き続ける彼女を抱き締め返してしまった。仕事上の付き合いなのに私情で動いてしまった。これを愚かと言わずして何と言うのだろう。しかも、その原因を作ったのが自分だと言うのだから撤回する気も起きない。
幼い子供のように泣き続ける彼女の涙は泣き疲れて眠ってしまうまで止まらなかった。こんなにも俺の命を大切に思ってくれる人がいるのなら、少し考えを改めなきゃいけないな。
二度と泣かせないために、もう少し行動を改めて自分の命を粗末にしないようにしなければ。
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