好きなんだから仕方ない。

どうしたら良い。どうするべきだ。長期休暇を取って行くべきか。でも、許しをすぐに出してもらえる訳じゃない。書類を出してから国王の目に届くまで一ヶ月はかかる。
同時進行で行くべきか。でも、俺とヅヌダクの二人に何ができる。相手の戦力も勢力も知らないのにたった二人で何が。

「何考えてんだよ！エイミア様の危機かもしれないんだぞ！？」

「分かっています！分かってはいますが・・・」

「エイミア様の事を信じられないのか！？俺は信じてる！だからこそこの事態はおかしいと判断する！勢力が足りないなら増やせば良いだけの話だろ！成せばなる！この国にどれだけの味方がいると思ってんだ！」

ヅヌダクに頬を殴られ、殴り返し。胸ぐらを掴まれ、掴み返し。他の者たちが来ようと国王が来ようとお構い無しに喧嘩し合ったのは生まれて初めてだった。
そうなんだ。証拠はエイミア様がそんな事をしないと知っているという事だけで十分なんだ。深く考えなくて良かったんだ。